エイミーの話 ④

エイミーの話③からの続きです。

 

「どうしたの?」

私はそう次女に尋ねました。

 

次女はしばらくの沈黙の後、ぽつりぽつりと何が起きたか話し始めました。

 

「エイミーが授業中に痙攣を起こして倒れて救急車に運ばれた。エイミーは私が大嫌いだって。私のせいでエイミーは痙攣を起こした!私のせいだ!!私がエイミーを見捨てたからだ!!」

 

次女は家につくなり大泣きし始めました。

エイミーの件は完全に自分のせいだと思っているのです。

 

私はエイミーの件は次女のせいではないことを何度も伝えました。

けれども次女は、精神が不安定な友人を見捨てて追い込んだのは自分だと言って聞きません。エイミーは以前自殺未遂も起こしているようで、今回も死んでしまったらどうしようとパニックいなっていました。

どうしたものかと途方にくれていると、ちょうど長女が高校から帰宅しました。

 

その後は長女に代わってもらい、次女の話を聞いてもらいました。

 

しばらくすると次女もだいぶ落ち着いた様子になりました。

長女は、「痙攣で救急車に運ばれるなんて、そんなの異常事態!そして悪いのはエイミーのお父さんだよ!〇〇のせいじゃないって!」と明るく笑い飛ばしてくれました。

 

次女も、エイミーの件は自分のせいではないと考えてくれました。

こういうとき、兄弟姉妹というのはとても頼もしいものですね。本当に助かりました。

 

エイミーがこんな風になってしまったのは、家族がいるのに罪を犯して服役するはめになった彼女の父親の責任です。会ったこともないしどんな人間かもわかりませんが、同じ親として、彼に怒りさえ覚えてしまいます。

 

次の日、どうやらエイミーは薬の過剰摂取で痙攣を起こし搬送されたとうことがわかりました。直前にSNSにエイミーのそのような書き込みが見つかったそうです。こちらでは薬の過剰摂取をOD(Overdose)と呼んでいるようです。(若者のスラングかも?)

 

次女の友達がエイミーに連絡したところ、全く意味不明の内容ですが、一応返信はあったとのこと。意識は取り戻したようで、次女もほっとした表情でした。

 

これをきっかけに、エイミーの家族が彼女のことをきちんと守ってくれたらいいのですが、どうなのでしょうか。正直あまり期待はできないかなとも思います。もしそのような家族だったら、ここまでひどくなる前にきっと何かしら手を打っていてくれていたと思うからです。

 

どうすることがエイミーにとっていいのでしょうか。また次女が彼女と仲直りしても、同じことの繰り返しだと思うのです。エイミーが変わらなければ、彼女はこのような生き方しかできない人間になってしまいます。せっかく生まれてきたのに、そんなのかわいそうすぎます。

 

これからエイミーが回復して学校に戻ってきたら、また何かあるかもしれませんが、次女と一緒にこの問題を解決していかなければ、と思っています。